本人の生前の希望もあり

cocowe

2013年11月21日 12:45

母に会うために大阪を発ったのだったが、4日間の九州滞在の初日の朝、ちょうどフェリーが別府港に着いたその時刻に、母は息を引き取ったのだった。
家に着いて、母の顔にかけられた白布をめくると、目をきゅっと閉じて、眩しいと言わんばかりの顔をしていた。
眠ったふりをしているみたいで、いまにも目を開けるのではないかと思われた。
苦しかったり痛かったりしたであろう生前の表情は、OtterBox保護殼すっかり消えていた。久しぶりにわが家に帰って、ようやく穏やかな眠りに入っているようだった。

本人の生前の希望もあり、高齢で付き合いも少ないことから、家族で静かに送ろうということになったが、身内だけでもそれなりの人数が集まりはじめた。
2日目、納棺師が来て、そばにいた家族で母の手や足、首の周りなどを濡れたタオルで拭ったあと、手を添えて柩に入れた。
妹の希望で、母が生前に気に入っていたという服を着せられていたので、その上から白い旅立ちの衣装が掛けられた。
そのあと、柩は葬祭場に運ばれていった。
そして通夜。

テレビが大型台風の接近を伝えつづけていた。
進路予想では九州に上陸して本土を縦断しそうだった。ときおり小雨がぱらつくが、風はない。
台風で学校が休校になったおかげで、ひ孫まで集まってきて賑やかになった防水手機保護殼
3日目は葬儀・告別式。
喪主としてのお礼の挨拶をしたのち、遺影の額を持って火葬場まで霊柩車に同乗する。お骨拾いのあと、斎場に戻って初七日法要と精進あげ。
どうやら台風24号は、九州の西の海上を通って日本海に抜けたようだった。

4日目の朝、お寺にお礼に上がり、あらためて供養してもらう。
母は、お寺の隣りにある介護施設に一時期入っていたこともあり、そのとき寺の鐘が鳴ると施設の窓から手を合わせていたらしい。そんなことが住職の耳にも入っていたらしく、そのような挿話も交えた短い講話もあった。
戒名に信という言葉が入っていたのも、そんな因縁かもしれないOtterbox Commuter
午後は父の墓参りをする。父はすでに十三回忌も終わっている。ふたたび父と母が彼岸で会うことになるのか、あの世のことはわからない。
台風が残していったのか、今頃になって強い風が吹いている。鼻腔の深くまで入ってくる、風の匂いが懐かしい。
ふたたび夜の船に乗る。

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